人手不足や清掃品質のばらつき、閉店後や早朝の負担、さらに残水による安全リスク――床清掃の現場にはさまざまな課題があります。そんな課題に応えるのが、アマノの小型床洗浄ロボットHAPiiBOT(EG-2RX-Li)です。
国内開発・国内製造ならではの安心感に加え、AIによる自律走行とクラウド管理を組み合わせた最新の仕組みで、現場にフィットした清掃を実現します。清掃幅508mm、スキージ幅780mm、最大約2時間の連続稼働(条件による)と約4時間の充電という基本性能を備え、さらに人・モノ・段差の認識や壁際15cmまでの狭所清掃にも対応。
ルート設定はティーチング方式とマッピング方式の2種類から選べ、クラウドサービス「AMANO Robot Cloud」で稼働監視や通知、ルート修正、複数台管理も可能です。
本記事では、導入後の保守や運用も含めて、長く活用できる自動化ロボットについて詳しくご紹介します。
HAPiiBOTとは:国内開発・国内製造の「現場適合」ロボット
HAPiiBOT(EG-2RX-Li)は、床洗浄機分野のアマノと自律移動技術に強みを持つPreferred Roboticsによる共同開発の小型床洗浄ロボットです。国内開発・国内製造の唯一性を打ち出し、部品供給・保守の継続性や現場フィードバックの迅速な反映が期待できます。
「現場適合」の観点では、狭い通路や柱・什器の多い売場、ライン間が入り組む工場など、従来の大型機が不得手だった環境でも、壁際15cmまで届く清掃性能と画像認識・AIによる柔軟な走行で清掃の取り残しを低減します。
また、見やすい操作パネルと、ティーチング方式・マッピング方式の2つから選べるルート設定により、操作はシンプルです。クラウド経由での遠隔操作やルート修正にも対応しており、環境の変化にもすばやく対応できる設計となっています。

主要仕様と性能
| 型式 | EG-2RX-Li |
| 清掃幅 | 508mm |
| スキージ幅 | 780mm |
| 清水タンク容量 | 33L |
| 回収タンク容量 | 33L |
| 電源 | リチウムイオンバッテリー DC25.6V / 100Ah |
| 連続稼働時間 | 最大約2時間(条件により変動) |
| 充電時間 | 約4時間(条件により変動) |
| 本体サイズ | W550 × L1200 × H940mm |
| 質量 | 170kg |
| 理論清掃能力* *ロボットが「障害物がない理想的な環境」で最大速度で連続運転した場合に、1時間で清掃できる面積の目安 | 約2,032m²/h(最高速度時、条件により変動) |
AI自律走行のしくみ:認識・狭所対応・ルート設定
人・モノ・段差の認識と動的回避
HAPiiBOTは、画像認識とAI、各種センサーの組み合わせで人・モノ・床マット・ハンドリフト・段差などを認識します。人が進路に入ると一時停止、物体があれば回避。類似景観が続く通路では、陳列品などの特徴量を判断基準として自律走行を維持します。
狭所対応:壁際15cm・通路幅約900mmの適合性
本体・スキージの設計により壁際15cmまで清掃可能。売場のレジ前やライン間など通路幅約900mmの狭所にも適応する案内があり、小型機ならではの適合性が評価されています。
ルート設定:ティーチング方式/マッピング方式
ティーチング方式は、担当者が手動走行でルートを教えると、以後は自律走行。障害物の多い売場や複雑な導線に適します。
マッピング方式は、対象エリアの外周を囲むように走行すると内部の最適ルートを自動生成。障害物の少ない広域エリアに適します。
どちらの方式でもクラウド上で再ティーチング不要のルート修正が可能です。


AMANO Robot Cloud:遠隔管理・通知・複数台運用
AMANO Robot Cloudでは、PCやスマートフォンから稼働状況の確認、清掃完了・アラート通知の受領、障害時の遠隔操作、複数台一括管理が可能です。現場のレイアウト変更や導線変更に合わせて、クラウド上でルート修正を行えるため、再ティーチングの手間を削減できます。
クラウド運用におけるデータ面では、国内サーバーでの管理や容量制限・追加料金が発生しない旨の案内も紹介されており、セキュリティ・運用コストの観点でも検討しやすいのが特徴です。
運用設計:1日3サイクル運用とスケジュール設計
リチウムイオンバッテリーを搭載し、約4時間の充電で最大約2時間の運転が可能です。この充電・運転サイクルを1日最大3回繰り返せる設計となっています(使用条件により異なります)。
これにより、従来は複数日に分けて行っていた清掃範囲も、短期間で完了できます。早朝・日中・夜間と時間帯を分散して稼働させることで、売場や工場の稼働と重なりにくく、効率的な運用が可能です。
例:小売…閉店後(夜間)に広域の売場を、開店前にレジ前・通路のスポットを、日中はバックヤードや通行の少ないゾーンを清掃。
例:工場…夜間にライン間の広域清掃、始業前に動線の要所、昼休憩中に共用通路を短時間で。
例:駅・交通施設…終電後にメインコンコース、始発前に改札周辺、日中は人流の少ない地下通路を。
安全設計:段差検知・残水低減・夜間タイマー運用
安全面では、段差センサーで落下・破損を防ぎ、AI認識で人・モノに対して一時停止・回避を実行。汚水回収設計で残水を抑え、転倒リスクの低減に寄与します。タイマー(カレンダー)機能により夜間の無人時間帯に自動運転が可能で、警備・管理と連携しやすい設計です。
メンテナンス/消耗品:リチウムイオンと専用パッド
バッテリーにはリチウムイオンを採用しているため、従来の鉛バッテリーで必要だった補水作業は不要です。日々のメンテナンスの手間を抑え、忙しい現場でも扱いやすくなっています。
消耗品については、パッド台は標準で付属しており、パッドやブラシは用途に応じて選べる別売品です。なかでもEG専用パッドの使用をおすすめしており、適切な回転速度制御と組み合わせることで、しっかりとした洗浄力を保ちながら、水の使用量にも配慮した清掃を実現します。
活用シーン別の運用設計:小売・製造・駅/交通・オフィス
小売(食品スーパー・ドラッグストアなど)
レジ前や中通路など、通路幅約900mmの狭いスペースにも対応できるため、さまざまな売場環境で活躍します。閉店後にはタイマー運転で広いエリアをまとめて清掃し、開店前の限られた時間には必要な場所だけをスポット清掃するなど、時間帯に応じた使い分けが可能です。
また、陳列変更が頻繁に行われる場合でも、クラウドからルートを修正することで環境の変化に素早く対応できます。日々の売場の美観を保ち、安全性の向上にも貢献します。

製造(工場・倉庫)
ライン間の障害物やハンドリフトなどを認識・回避。夜間や休憩時間に広域清掃を自動化し、昼間は人の多い動線を回避して運用できます。
事例紹介では、手作業1時間相当の床清掃を自動化し工数削減に繋がります。

駅・交通施設
人流変動やイベントで導線が変わる環境において、タイマー運転×クラウド管理で柔軟に対応。操作性・洗浄能力・データ管理が採用の決め手という紹介もあり、複数台の一括管理で広域施設の運用効率化を図れます。
オフィス・商業施設
深夜の無人時間帯に定期清掃を自動化し、翌朝の清掃工数を削減。クラウドで複数フロア・複数拠点を俯瞰し、日次・週次の計画に反映できます。
導入から現場定着までの進め方
① 現場確認と導入要件の整理
まずは現場の状況を確認し、ロボットに求める役割を明確にします。
床材(Pタイル、塗床など)や清掃面積、障害物の有無、通路幅(約900mmの狭い場所があるか)に加え、人の動きが多い時間帯を整理します。そのうえで、清掃を行う頻度や時間帯(夜間・早朝・日中)を決定します。
② 試験走行と運用イメージの設計
実際にロボットを走行させながら、最適な運用方法を設計します。
障害物が多いエリアではティーチング方式、広くて障害物の少ないエリアではマッピング方式を使い分けます。
また、クラウド上に拠点・フロア・ゾーンを登録し、通知ルールやアラート発生時の対応フローを整備します。夜間清掃ではタイマー(カレンダー)運転を設定し、警備や管理部門との連携体制も整えます。
③ 本番運用の設定とスタッフへの共有
本番運用に向けて、クラウド上で拠点やゾーンの登録、通知ルールの最終設定を行います。
あわせて、オペレーターに対し、スタート・ストップ操作や障害物発生時の対応など、基本的な使い方をレクチャーします。夜間運転がある場合は、警備や店舗スタッフとの連携ルールも事前に共有します。
④ 効果確認と改善を続ける運用(定着化)
導入後は、効果を見える形で確認しながら改善を重ねます。
清掃面積、残水率、アラート件数、人手削減量などのKPIを設定し、定期的にレビューを実施。結果をもとに、ルートやタイマー設定、クラウドの運用ルールを調整します。
あわせて、消耗品であるパッドやスキージの交換計画も含め、無理なく続けられるメンテナンスの仕組みを整えます。
FAQ(よくある質問)
Q1:最小通路幅と壁際清掃の限界は?
案内例では通路幅約900mmの狭所に対応し、壁際は15cmまで清掃可能です。
Q2:連続稼働時間と補給頻度は?
連続稼働は最大約2時間(条件による)。専用パッドと回転制御により2時間無補給で連続洗浄する設計です。
Q3:夜間の無人清掃は安全ですか?
タイマー(カレンダー)機能で夜間の自動運転が可能。AIが人・モノを認識し、段差センサーで落下を防止します。
Q4:クラウドで何ができますか?
稼働監視、通知、遠隔操作、ルート修正、複数台一括管理が可能です。
Q5:清掃液や消耗品の取り扱いは?
標準付属はパッド台で、パッド/ブラシは別売(EG専用パッド推奨)。洗浄水量は節水設計で、運用条件に応じて最適化します。
Q6:複数拠点での運用は可能?
クラウドで複数台一括管理が可能。拠点・フロアごとにゾーン設計し、通知・タイマーを設定すると運用が安定します。
まとめ:使い続けられる自動化へ
HAPiiBOT(EG-2RX-Li)は、508mmの洗浄幅と最大約2時間の連続稼働を備え、AIによる認識技術とクラウド管理を組み合わせることで、現場環境の変化にも柔軟に対応できる自動清掃を実現します。
壁際15cmまで届く清掃性能や、通路幅約900mmの狭いスペースへの対応、段差検知や残水を抑えた安全設計、さらに人手の少ない時間帯に活用できるタイマー運転など、日々の現場運用を支える工夫が詰まっています。
導入時には試験走行を通じて自施設での清掃効果を確認し、清掃面積や残水率、アラート件数、人手削減といったKPIを設定することが重要です。効果を見える化しながら運用を改善していくことで、無理なく現場に定着する清掃自動化を実現できるでしょう。
詳しくは下記商品動画・商品チラシをご覧ください。