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【第2回】油性インクと水性インクはどう違う? ~書類の性質で選ぶボールペン選び~

2026.07.14
アレとコレはどう違う?

はじめに

 オフィスでは「書いた記録を確実に残すため」と「日々の筆記を快適にするため」という2つの異なる目的で、油性インクと水性インクのボールペンが使い分けられています。見た目も価格帯も様々で、「どれを選べばいいのか?」と迷う総務・購買担当者も多いのではないでしょうか。

 実は、この2つは成分・目的が大きく異なります。今回は、油性インクと水性インクの違いを理解し、オフィス導入時の選択軸を明確にしてみましょう。

選択基準:どこが、どう違うのか?

1. インクの成分が異なる

項目油性インク水性インク
溶剤有機溶剤
耐水性高い(裏抜け・にじみに強い)低い(水濡れ・手汗でにじみやすい)
書き味重め・書き出しがかすれやすい軽い・すらすら書ける
発色・カラー展開控えめ鮮やか・豊富

 油性インクは水に強く「記録をしっかり残す」ことに適した構造であるのに対し、水性インクは軽い書き味で「快適に書く」ことに適した構造です。この根本的な違いが、「どちらを選ぶべきか?」を決めることになります。

2. 「書き味」とインク特性に根ざした「目的」が異なる

油性インクの目的:「記録を残す」
書いた文字が水濡れや摩擦で消えないこと、複写伝票のように裏抜けしないことが主目的です。書き味の軽さよりも、耐久性・保存性が重視されます。

水性インクの目的:「快適に書く」
弱い筆圧でもなめらかに書けること、色分けができることが主目的です。長時間の筆記や、来客対応など人の目に触れる場面での書きやすさが重視されます。

参考:目的を逆にするとどうなる?
使い方結果理由
油性インクで色分けメモを取る作業効率が下がりやすい書き味が重く、カラー展開も少ないため、素早い色分け作業には不向き
水性インクで複写伝票・領収書を書く記録が判読しにくくなる可能性水濡れや摩擦でにじみやすく、裏抜けもしにくい代わりに複写には弱い

つまり「本来の目的と異なる使い方」は、双方とも機能を十分に発揮できません。オフィス導入時は、書類の性質を明確にした上で、それに合ったインクを選ぶことが重要です。

3. さらなる選択肢として存在感「ゲルインク」「エマルジョンインク」「低粘度油性インク」

 油性・水性の中間的な(長所を残しつつ短所を補った)性質を持つ「ゲルインク」「エマルジョンインク」「低粘度油性インク」なども登場し、市場に浸透しています。

インク種類ベース長所短所
ゲルインク水性
※水性インクを出発点に「油性の長所」を付与
・なめらかな書き味
・色種が多く発色がよい
・やや耐水性がある
・インクの減りが早い
(「筆記距離」が短い)
エマルジョンインク油性
※油性インクを出発点に「水性の長所」を付与
・油性よりなめらかな書き味
・発色がよい
・耐水性がある
・インク乾きが早い
・インクの減りが早い
(「筆記距離」が短い)
低粘度油性インク
(通称:ジェットストリームインク)
油性・なめらかな書き味
・発色がよい
・耐水性がある
・インク乾きが早い
・インクの減りが早い
(「筆記距離」が短い)
・浸透性が高く、紙が薄いとやや裏抜け裏写りしやすい

 またインク素材によってもインクの特性が変わってくる場合があります。
染料インク:
溶剤(有機溶剤または水)に溶け、素材に染み込むため発色が良い。色を混ぜることによって新たな色を作りやすくカラーバリエーションが豊富になりやすい特徴があります。一方で、長時間の光に当たると変色や退色が起こりやすい側面もあります。
顔料インク:
一般的に耐水性・耐光性に優れており、長期保存する書類に向く(有機顔料の場合は耐光性が弱い)。色の鮮やかさでは染料インクに劣る部分も。
といった違いもあります。両方の長所を求める場合や、長期保存を重視する場合は、これらもあわせて検討すると選定の幅が広がります。

オフィスでの使い分け

油性インクが活躍するシーン
・複写伝票・領収書などの経理書類:裏抜けしにくく、水濡れにも強いため、控えを確実に残せます。
・押印を伴う契約書・稟議書:長期保存が前提の書類で、文字の耐久性が求められる場面に適しています。
・現場作業・屋外での記入:湿気や汗の影響を受けにくく、過酷な環境でも安定して書けます。

水性インクが活躍するシーン
・議事録・打ち合わせメモ:軽い書き味で長時間の筆記でも疲れにくく、スピーディーな記録に向いています。
・来客対応での一筆・受付簿:なめらかな書き味と鮮やかな発色で、丁寧な印象を演出しやすくなります。
・色分けが必要な資料作成:カラーバリエーションが豊富で、項目ごとの視覚的な整理がしやすくなります。

結論:どちらを選ぶ?

選択軸油性インクがおすすめ水性インクがおすすめ
主要目的記録の保存性重視書きやすさ・発色重視
書類の性質複写・押印・長期保管議事録・メモ・色分け資料
使用環境湿気や汗の影響を受けやすい現場デスクワーク中心の室内
書き味の負担やや重め軽く疲れにくい

結論:経理書類や契約書など「記録を残す」用途には油性インク、議事録やメモなど「日々の書きやすさ」を重視する用途には水性インク、両方の場面が混在する部署では「両者の併用」または「ゲルインク/エマルジョンインクへの統一」という選択が、実務的には最も効果的です。

販売店にご相談ください

「日常的な筆記具」として使用しているボールペンですが、インクの特性だけでも複数のバリエーションがあり、それぞれに最適な利用シーンがありそうです。

 実際の導入を検討される場合は、オフィコレの販売パートナーにお気軽にご相談ください。以下の情報をご用意いただければ、より精密な提案をさせていただきます。

販売店との相談時に用意すると便利な情報:
・部署ごとのボールペン使用シーン(伝票処理・議事録・来客対応など)
・現在使用中のボールペンの銘柄・型番
・複写伝票への記入や色分け作業の有無
・保管環境(屋外・多湿な現場の有無)

 販売店の専門スタッフが、お客様のオフィス環境に最適な「油性インク」「水性インク」の組み合わせや導入本数、部署ごとの使い分けルールをご提案し、導入後の運用サポートまで一貫してサポートします。

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